公文式学習療法
「デイサービスこもれび」では、開設当初より認知症対策には力を入れてきました。朝一番、季節感のあるお話から始まり新聞記事の解説、呼吸体操、ヨガ体操、太極拳体操、各種体操、テーブルレクリエーション、体を動かすレクリエーション、音楽療法、園芸療法、塗り絵、貼り絵、各種ドリル等々を実施してきました。平成29年に入り「2つのことを同時に行う」「左右で違う動きをする」といった動きで脳を適度に混乱させ、認知機能を向上させる「シナプソロジー」を始めました。
学習療法とは
学習療法は、読み書き・計算・コミュニケーションにより、脳の活性化を促し、認知症の予防・改善を図るオリジナルプログラムです。学習療法は子供たちの「学力をつけるための勉強」とは全く考え方がことなります。頭の健康を維持するためのいわば音読と簡単な計算による「頭の体操」です。高齢者の方々が楽しく学習し、効果が出るように教材や学習法が工夫されています。
認知症は加齢にともない脳の働きが衰え、それが重度になった状態を言います。それによって引き起こされる認知障害、コミュニケーション障害、身辺自立の低下などが社会生活で問題となります。その症状のほとんどは、頭のおでこ部分にある脳の前頭前野の機能にあるものと、学習療法を提唱した東北大学の川島教授は考えました。そして、脳機能を調べる研究の結果次のことがわかりました。
簡単な計算をしている時、コミュニケーションしている時、そして、ほめられている時に脳の血流が増し、脳機能が活性化するということです。
学習療法の特長
- 学習療法は脳科学理論から誕生しました。
学習療法は、2001年国の助成を受けた研究プロジェクトとし研究を開始し、認知症の予防だけでなく、維持・改善にも極めて高い効果があることが実証されています。また、非薬物療法なので、薬のように副作用の心配がなく、どなたでも学習できます。 - 笑顔と尊厳大切に、高齢者の「自信、意欲、誇り」を引き出す学習法です。
学習療法は、高齢者の笑顔と尊厳を大切に、できたことを認めることで、「自信、意欲、誇り」を引き出すように努めています。学習療法は「できる喜び」を大切にします。 - 「くもん」が開発した高齢者専用教材と方法で行います。
脳科学理論に基づき「くもん」が工夫を重ねて開発した高齢者専用教材と方法で行います。教材は、認知症の重度な方から予防レベルの方用まで、様々な難易度で構成されています。 - 学習療法を行うのは「学習療法実践士」の資格を持った職員です。
学習療法は1人のスタッフ(学習療法実践士)が、2人の学習者と対面して約20分の時間で行うのが基本です。
学習の進め方
- スラスラ楽しくできるレベルの「読み書き・計算」教材と「すうじ盤」を学習します。
- 学習は、1人のスタッフが2人の学習者とコミュニケーションをとりながら進めます。自然と笑顔がこぼれます。
- 学習時間は1回20分程度です。