利用者の方が残したもの。利用者の方から学んだもの。

9月の下旬に「デイサービスこもれび」を利用していただいていた男性の方(Aさん)が亡くなられました。聡明で囲碁や短歌など多彩な趣味を持たれていました。ご自分では、「何をやっても中途半端じゃ。」が口癖でした。また「こもれび」に来所される時には、よく切り花を持って来ていただきました。花を愛する優しい方でした。「ここの畑に家にある果林の苗木を植えたい。」とよく言われてました。代わりに私が「こもれび」の畑に果林の苗木を植えて大切に育てていきたいと思っています。不満を口にせず、冗談ばかり言って人を楽しませていたAさんが一度だけ職員に不満をぶつけたことがありました。「こもれびは、右翼かと言われるぞ。」と言う内容のことでした。当時「こもれび」では、「梅干し体操」と言って、アニメで梅干しの少年が体操をして、その体操を利用者の方々にもしていただくといった運動を行なっていました。その体操に流れている歌の一節に「勇ましく戦いに行く。」このような下りがありました。Aさんは若いころ(戦時中)空軍に配属されて戦闘機の整備されていたそうです。Aさんは特攻隊で出陣することを命令され、飛行場で待機していたそうです。特攻隊として飛び立つ1週間前に終戦となったそうです。「わしは生き運があるんよ。」も口癖でした。「特攻隊で行く奴も建前では綺麗ごとしか言えんが、みんな考えていることは家族のことばっかりよ。」と話されていたのを思い出します。この時に、たくさんの戦友(ほとんど少年や青年)が無謀で愚かな作戦の下に死んでいくのを断腸の思いで見送っておられたのだと想像されます。この時の悲しみ・怒り・虚無感等が、たとえアニメの世界のことでも許せなかったのだと思います。戦争の悲惨さを語れる方々が少なくなっていることが、本当に残念でなりません。「一度来てみよ こもれびに 身体と心を 癒す場所」聡明で思いやりがあり、本当に優しかったAさんが生前「こもれび」のために作ってくれました。この詩に恥じないように精進していきたいと心に誓っています。Aさんのご冥福を心よりお祈りしております。

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