日本舞踊の神髄とは、「ふじ美会」の皆様、ありがとうございました。
二十四節気でいう春分の十五日間も次候(中間)に変わろうとしています。候のことばとして「暁」と「曙」があります。夜が明けようとしているが、まだ暗い時分のことを「暁」、夜がほのぼのと明けようとするころのことを「曙」と言うらしいです。「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく、山ぎは少しあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。」(枕草子、清少納言)、日本語は非常に繊細です。繊細の極みといえば日本舞踊です。丹原町の日本舞踊会「ふじ美会」の皆様が久しぶりに「デイサービスこもれび」に慰問のため来所されました。ダンスのような躍動感ある動きはありませんが、日本舞踊にはなにか日本人の心に訴えかけてくるものがあります。「静中に動あり」「動中に静あり」相反するものが同居しています。心を澄ましてみていると、感じるものがあります。静かな動きの中に熱く熱く燃えたぎるような情熱、厳しい動きの中にも静寂な心を宿しています。「静中に動あり」「動中に静あり」この対峙するものを併せ持ち、そこに調和が生まれ、それが日本人である私の心に、何とも言えない安らぎと安心感を与えてくれます。「ふじ美会」の皆様、本当にありがとうございました。