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声なき声を聴く!!コミュニケーションの神髄とは?

私は、「デイサービスこもれび」において、朝一番で季節感のあるお話をすることにしています。認知症が進むと、まず時間に対する感覚が侵されるからです。次に呼吸体操、太極拳体操へと続きます。これらは自律神経をいかに整えるかを考えてのものです。私が行う最後は指体操です。人間の頭脳の進化は指が器用に動くようになってからと言われています。指から脳を活性化できたらと思っています。これら一連のプログラムを実施する時、最も重きを置いているのが、利用者の方々一人一人とどのようにしてコミュニケーションをとるかと言うことです。利用者の方は頭脳明晰な人もおられますが、ほとんどの方が程度の差はあっても認知症になられています。中には発語さえない方もおられます。このような利用者の方々すべてとコミュニケーションをとるにはどうすべきか。いつも自問自答しています。喋り方においては、言葉の強弱、時間的な速度の変化、沈黙も含めた間の取り方等にも気を使っています。ボディーランゲジ(体を使ってのコミュニケーション)も駆使します。「まなざし」も使います。あなたのことを思っていますよと言う時には、眼の焦点を絞ります。柔らかく安心感のある空間を醸し出したい時には、眼の焦点を広げます。利用者の方々との物理的な距離感も大切にしています。利用者の方々に近づいたり離れたりです。様々なテクニックを使っていますが、一番大切なのはやはり気持ちだと思います。私は、利用者の方々一人一人の気(気持ち)と私の気(気持ち)と必ず繋げるという一点に集中しています。常に「明鏡止水」(心にやましいところがなく澄みきっている)をもって事に臨んでいます。そして一流の介護者の条件は「声なき声を聴ける」ことだと思います。「声なき声を聴ける」人は、人の尊厳も大切にします。ひいては人権意識を持つようにもなります。こうなれば本当に一流の介護者だと思います。私自身、今日も「声なき声」を聴こうと必死にもがいています。